「個人事業主として仕事をする上での困難の一つは『孤独を乗り越えること』だ」
私自身、フリーランスの仕事をする以前、上記の言葉を先輩より頂きました。実際、自由な生活に憧れて独立したは良いものの、「『孤独』に悩んでいる」個人事業主・フリーランスの方は少なくないでしょう。この記事では個人事業主・フリーランスの方に、「経営者の抱える孤独」の内容や解消法について解説いたします。
目次
個人事業主・フリーランスの抱える孤独とは
個人事業主・フリーランスの方と接していると、「一人が好き」という方が多い印象を受けます。しかし、そんな方であっても孤独に悩むケースは少なくありません。その理由について解説いたします。
会社員との考え方や習慣の違い
当然ですが、個人事業主・フリーランスの方と会社員の方とでは「考え方」や「習慣」が違います。前者では「安定的な収入がない」という不安から、会社員の方以上に「節約志向」になったり「タイムパフォーマンスを意識」したりする傾向が強い様子です。
無論、経営者の方で同業の下請け的な立場から事業をスタートされた方も少なくありません。その場合、会社員的な考え方をする傾向が強いと言えます。しかし、その場合でも、「定期的な仕事がないため生活習慣が変化する」・「休みの日が会社員をやっている友人や恋人とずれる」といったことが起こり、それに伴って会社員の知人との接し方が変化する(金曜日の夜のテンションがお互いに違ってくるなど…)可能性は高いです。
この「考え方」や「習慣」の違いが要因となって孤独感を感じている方は少なくありません。また、同様の理由から経営者が人を雇用したとしても、そのことが孤独に対する解決策として機能しづらいのです。
外部の人間に弱みを見せられない
経営者の方は「取引先をはじめとする利害関係者に弱みを見せたくない」という意識が強いです。その理由はプライドだけでは説明出来ません。「印象が悪くなり、取引を断られる原因になるかもしれない。」という現実的な問題も経営者の方に「弱みを見せること」を難しくさせます。
「弱みを見せたくない」という思いがあまりに強いために、取引先と親密になれていない個人事業主・フリーランスの方は少なくありません。「仕事だから仕方ない」とはいえ、それが経営者の方に孤独感を感じさせるケースも多い様子です。
創業段階こそ孤独感が強い
「経営者は孤独」と言いますが、創業段階ほど、この傾向は強いと考えられます。なぜなら、創業段階においては「一部の取引先以外とは仕事上の接点があまりない」事業者様が殆どであり、そのような事業者様ほど「数少ない取引先に悪い印象を与えたらどうしよう…」という思いから、取引先に「言いたいこと・言うべきことを言えていない」ケースが少なくないためです。
一方で、ある程度事業の軌道化した事業者様の場合、「既に相談できる部下が育っている」、「同業の知り合いが増えた」といった理由から孤独感に対処できているケースが多いと実感します。
「孤独」にだけ着目しても事態は進展しない
ここまで経営者の孤独について述べてまいりましたが、実際に経営者の方が「『自身の孤独感』について話す場面では対人関係以外に不安定な要素を持つケースが多い」とも実感しております。
例えば、預貯金や仕事について悩んで心情的に不安定であるからこそ、普段は気にかけもしない「孤独感」についても、ついつい愚痴を言ってしまうという状況です。
このケースでは「孤独感の解消」に向けてアプローチしても「心情的な不安定」は解消しないと言えます。
本当に自身の問題が「孤独にあるのか」内省することが必要でしょう。
「孤独」の解消方法
経営者の方が「孤独感を解消する」にあたっては「コミュニティへの参加」と「コンサルタントへの相談」という2通りのアプローチが考えられます。以下、それらについて解説いたします。
コミュニティへの参加
経営者の方が孤独を解消する方法としては次が挙げられます。
経営者の孤独への対処法・習い事への参加
・コワーキングスペースやシェアオフィスの活用
・経営者同士で交流
習い事への参加はプライベートを充実させることで孤独を解消する手段です。
コワーキングスペースやシェアオフィスの活用はモチベーション維持の観点からも推奨されます。
ただ、両方とも参加・活用にあたって定期的に発生するコスト負担が悩ましいところです。
そこで、経営者同士で関わりを持つことが推奨されます。簡単に経営者同士の接点を持つ方法として商工会・商工会議所に登録したり、異業種交流会に参加されたりしてはいかがでしょうか?
上記のような接点を作っておくことには「資金調達や営業に関する相談をしやすくなる」という現実的なメリットもありますので、ぜひご検討ください。
コンサルタントへの相談
コミュニティへの参加は孤独に対する対処法として現実的な手段です。しかし、ただ受動的に異業種交流会等に参加しているだけでは営業を目的とした事業者ばかりが声をかけてくるという事態にもなりかねません。
また、経営者の方が注意すべきは「親密な関係=自社の決算書を開示できる関係ではない」ということです。よって、経営者の場合、親密な関係だからと言って仕事に関する踏み込んだ話を出来るとは限りません。
ここにコンサルタントの需要があります。コンサルタントは「友達」や「同業者」とは異なる立場で経営者に接する存在です。この「しがらみの無さ」がかえって、「経営者が安心して決算書を開示できる」要因となります。
一般に、「コンサルタントには知識や思考が要求される」と考えられるものです。しかし、実情では「経営者の孤独を緩和する」存在としてコンサルタントが求められております。
まとめ
経営者の方が孤独を感じる要因としては「周囲の会社員との考え方の違い」・「取引先に弱みを見せられないこと」が挙げられます。また、仕事上での対人関係が少数の取引先に限られる創業段階においては特に、経営者の方が「孤独感を感じる」傾向が強い印象です。また、経営者の方の場合、金銭面や仕事の不安から「普段は気にしない対人関係についても思いつめるようになってしまっている」可能性もあるため、注意が必要でしょう。
また、孤独を感じる経営者が取るべき対応策としては「コミュニティへの参加(商工会・商工会議所の利用、異業種交流会への参加など)」と「コンサルタントへの相談」が検討されます。
ただ、現実には知り合いのいない場に顔を出すことには抵抗感があるでしょう。当社は経営者同士が関わりを持てる場として「よろず経営相談協会」を立ち上げました。同コミュニティーにおいては異業種交流等も実施しておりますので、ぜひご確認ください。
また、コンサルタントの方に相談するにあたっても次のような不安が付きまといます。
- 「コンサルタントは何か胡散臭い」
- 「コンサルタントと顧問契約を結ぶのは金銭的にもハードルが高い」
当社にはアドバイザーとして中小企業診断士の有資格者が在籍しております。
また、補助金や融資に関しても相談対応が可能です。
創業段階の方におかれましても、当社のコンサルティングサービスは利用しやすいと思われますので、詳細な情報をお求めの方は以下よりご相談・お問合せをお願いいたします。
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