「はじめての融資。面談対策で不安に感じる…。」
「創業融資の面談に関して色々情報が溢れていてよく分からない。何をしたらいいの?」
と、不安や疑問を抱える創業者の方は少なくないでしょう。日本政策金融公庫・創業融資の面談について、ネット上には様々な情報が溢れており、なかには「面談のロールプレイング」を支援メニューとするコンサルタントの方も見受けられます。
しかし、創業融資の面談に向けた過剰な対策は効率が悪く、面談対策でコンサルタントの方に頼りすぎるのはおすすめできません。その理由と、「具体的に自力でどんなことが出来るのか」について解説いたします。
目次
創業融資の面談対策でコンサルタントに頼りすぎてはいけない理由
日本政策金融公庫の方にとって、面談は申し込み者の人柄を知る機会です。そして、創業融資においては一般に「担当者から見た経営者の人柄」が重視されると言われます。よって、事前情報や対策無しで面談に臨むのは無計画です。しかし、対策のため、わざわざコンサルタントと長時間のロールプレイングをすることもお勧め出来ません。その理由について解説いたします。
面談内容以外で融資の可否の大部分は決まるため
まず、いかに創業融資において「経営者の人柄を重視する」と言っても、融資の可否は面談以外の要素により決まる部分が大きいです。
例えば、融資の可否を決定するポイントとして主に次の要素が挙げられます。
融資の可否を決定する主なポイント・融資額が適当か
・入出金の状況
・個人の債務や信用情報
・前職の経験
・事業計画
上記を確認すれば分かるように、面談対策のみでは「変えられないポイント」が融資の可否を左右します。
よって、いかに万全な面談対策であっても、長時間かかるようであれば効率の悪いものとなりがちです。
事業者本人の言葉で話している印象を与えるため
当然ながら、面談において、コンサルタントの方は同席出来ません。ここで、経営者の方が担当の方に「予め準備してきた言葉を話している」と思われてしまえば、それは悪印象となり得ます。
また、度々聞かれるのが「事業計画の作成をコンサルタントの方に丸投げしてきた経緯から、その内容を言葉で説明出来るようになるまでに時間がかかる。」という主張です。
厳しい話になるかもしれませんが、こういった主張をする以前に「計画の作成をコンサルタントが『一から十まで』手掛けてしまう支援の在り方」を問題視する必要があります。
自身が主体となって融資の準備をすれば、面談対策は最小限で済むはずです。
創業融資の面談で意識すべきこと
ここまで、創業融資の面談対策でコンサルタントに頼り過ぎてはならない理由を説明してまいりました。
では、コンサルタントに頼らず、自身で準備を進める場合、どんな点を意識すべきか解説いたします。
結論から簡潔に話す
質問に対しては「結論から簡潔に」答えましょう。これは融資の面談に限らず、ビジネスの基本です。
例えば、「創業の理由」を聞かれた際には「〜〜ためです。」と端的に述べた上、必要に応じて理由や具体的内容を話す必要があります。間違えても「前職で〇〇といったことがありまして、そこから△△と思いまして、それがきっかけに〜〜しようと。」といった話し方をしてはいけません。
経緯や理由の説明は「聞かれてから答える」あるいは「結論に付加する形で端的に答える」よう意識しましょう。
事前に提出した計画書と矛盾しないように話す
当然ながら、創業融資の面談では「事前に提出した書類と矛盾しない回答をすること」が必要です。
前述した通り、重要なのは「創業計画の作成をコンサルタントに丸投げしないこと」です。
創業融資の準備に際しては「面談対策のロープレ」といった小手先の準備ではなく、「自身の創業計画について熟慮すること」が必要となるため注意しましょう。
身だしなみを整える
担当者からの心象を良くするため、身だしなみは整えて面談に臨みましょう。
- 髪型のチェック
- 化粧のチェック
- スーツの色や皺のチェック
- 靴磨き
- 出発前の鏡のチェック
上記、当たり前のことを確実に行う必要があります。
個性を発揮する必要はないので、心象を良くするよう心掛けましょう。
相手の知識レベルに合わせた言葉選びをする
専門用語や業界で独特の言い回しはせず、相手のわかる言葉を選んで回答するよう意識しましょう。
日本政策金融公庫の担当の方は融資のプロではあるものの、業界の事情に精通しているとは限りません。
また、面談中に用語を逐一解説する・例え話をするといった対策では話が冗長になり、かえって悪印象を与えるリスクがあります。
よって、「相手の反応を見ながら話す」という現場対応力、加えて自身の創業計画を「噛み砕いて説明出来る」レベルの理解度が必要です。
相手が分かる言葉を選ぶことも、担当の方からの心象を良くするために必要となります。
喧嘩をしない
当然ながら、面談中に担当の方と言い争いをしてはいけません。
もし、担当の方が横柄な態度をとった場合でも、その場では口論しないように気をつけましょう。
また、担当の方の態度があまりにも酷い場合、後ほど本部に連絡する・担当者の上司に連絡するといった対策が考えられます。
公庫の方と争うメリットは無いので、面談の場では落ち着いて対応することが必要です。
まとめ
日本政策金融公庫・創業融資の面談対策において、コンサルタントに頼りすぎることはお勧め出来ません。まず、創業融資の可否は面談内容以外の要素で決まる部分が大きく、過剰な対策はコストパフォーマンスの低いものとなります。次に、担当の方に「準備してきた言葉で返答している」と思われないためにも、事前準備でコンサルタントに頼り切らないことが重要です。もし、事業計画の作成をコンサルタントに丸投げしてきた都合上、事前準備が必要となっているならば、そのような支援の在り方そのものに疑問を持つ必要があるでしょう。
面談対策で事業者様が出来ること、意識すべきことや対策は以下の通りです。
- 結論から話す(経緯や理由をダラダラ話さない)。
- 事前に提出した書類と矛盾した回答をしない。そのためにも計画作成において、コンサルタントへの丸投げは避ける。
- 相手の知識レベルに合わせた言葉選びのため、創業計画の内容を噛み砕いて説明出来るよう準備し、面談に際しては担当者の方の反応を見ながら話す。
- 担当の方と喧嘩はしない。万が一、先方の態度があまりにも横柄であった場合は本部また担当者の上司に連絡。
ここまで、創業融資の面談対策について、当社の見解を述べてまいりました。ただ、一つ誤解のないように述べておきたいのが「当社は創業融資の面談対策自体を否定している訳ではない」ということです。無論、創業融資の面談において、最低限の準備は必要となります。しかし、そのためだけに「何時間もかけてロープレ等をするのは効率が悪いのではないか?」というのが当社の主張です。
当社も、創業融資を希望されている方への支援サービスを案内しておりますが、面談対策に過度の時間を割くことはありません。また、適宜アドバイスしながら、共に「投資計画や収支計画について検討すること」を重んじた支援をいたします。この記事を読んで、「創業融資の支援を受けたい」と感じた方は以下よりご相談をお願いします。
また、当社は補助金の申請支援や開業当初の販路開拓等に関するコンサルティングにも対応可能です。気になった方はぜひ、お問い合わせください。
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