「小規模事業者として補助金を利用したい!」
とお考えの士業の方に向け、当記事では士業の方が「小規模事業者持続化補助金」の利用に際し注意すべきこと等を解説いたします。
目次
士業が小規模事業者持続化補助金を活用可能か?
一般には「補助金を申請する事業者」の支援を行う立場にいることが多い士業の方々ですが、そんな士業の方々であっても小規模事業者持続化補助金への申請は可能です。以下、士業の方々が小規模事業者持続化補助金を使用するケースについて解説してまいります。
士業は小規模事業者持続化補助金の対象
小規模事業者持続化補助金の「申請時によくある質問」においても、次のようなQ&Aが見受けられます。
Q1-2 士業を営んでいますが、補助の対象になりますか?
A1-2 士業(弁護士、税理士、行政書士、弁理士、社会保険労務士等)や経営コンサルタントについても対象となります。
出典:小規模事業者持続化補助金・申請時によくある質問 r3i_qa.pdf (jizokukahojokin.info)
上記の通り、士業や経営コンサルタントの方も小規模事業者持続化補助金の対象です。
また、補助対象者は下記の通りとなっております。
補助対象者について・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと
・直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
・開業届上の開業日が申請日より前であること
・同補助金の受付締切日の前10ヶ月以内に選考する受付締切回で同補助金の採択を受け補助事業を実施した(している)者でないこと
上記を踏まえると、個人で士業を営む方の多くが補助対象になると考えられます。補助対象の詳細は公募要領よりご確認ください。
補助金の使途
士業を営むにあたっては他事業に比べてイニシャルコストの発生が僅かです。
また、事業において必要となる文房具、PC、自動車、セミナー参加に係る費用等は補助対象として認められません。
HPに関しては商品・サービスの宣伝広告を目的としない場合には補助対象外となります。よって、補助金を用いてウェブサイトを立ち上げる場合、単に会社概要・代表者プロフィールを掲載したデジタル名刺としてサイトを立ち上げるのではなく、商品・サービスについて示したサイトを立ち上げることが必要です。
したがって、士業の方が補助金を活用する場合、その使途は自ずと限られてまいります。そんな士業の方が小規模事業者持続化補助金を利用する場合の主な使途は次の通りです。
士業の方の持続化補助金の主な使途・郵送によるDMの発送
・無料相談会やセミナーを自社で実施する場合の会場の借料
・自社サービスを広告するためのパンフレット
・自社サービスを広告するためのウェブサイト
・インターネット広告
・自社サービスの認知向上を図るための動画作成
・自社サービスのインターネット広告
・自社サービスのバナー広告
・補助事業に必要な資料
・デザインの外注
・管理業務効率化のためのソフトウェア
・相談スペース設置のための事務所の改装
上記を踏まえると、士業事務所においては「無料相談会を自社で実施したいからその宣伝にかかる費用や会場の借料のコスト負担を抑えるために補助金を使う」といった補助金の活用方法が考えられます。
なお、ウェブサイト関連費のみでの同補助金への申請は認められないことに注意しましょう。
実際の採択事例
では、実際に過去、士業の方が小規模事業者持続化補助金において採択された事例を一部、見てまいりましょう。
行政書士
・FPと行政書士との連携による空き家問題解消のためのワンストップサービス
・建設業許可等の「許認可申請」業務の販路開拓
・10周年企画の無料財務診断を活用した顧問契約の新規開拓事業
・広告、DMで当事務所のサービスの認知度向上、販路開拓事業
・建設業向け手続き支援とサービスのオンライン化による販売促進
・ドローンライセンス制度の開始に伴うドローンスクールのサポート
社労士
・事務所経営の基盤を安定・拡大させる従業員研修サービス事業
・企業の困った!に寄り添う人事制度コンサルサービスの全国展開
税理士
・提案型の相続税・贈与税申告サービスの販路開拓
弁理士
・特許/契約顧客管理システムとサブスク型顧問契約による売上向上
司法書士
・少額債権回収業務の立ち上げ・販路開拓
出典:採択者一覧(第9回受付締切分) ※2022年9月20日公募締切分 r3i_9_kanto (jizokukahojokin.info)
上記は採択事例の事業名を一部、抜粋したものです。いずれも、認知向上など販路開拓・売上向上に繋がる取り組みを志向したものですが、「自社」の認知向上ではなく、「自社サービス」の認知向上を趣旨としている点にご留意ください。
小規模事業者持続化補助金の利用が推奨されるケース
前述した通り、士業の方の小規模事業者持続化補助金の使途は限られ、同補助金の活用が必ずしも推奨される訳ではありません。しかし、「補助金の申請支援をメニューとする計画がある場合」、「明確な構想を描いて補助金を使用する場合」では同補助金の申請について充分、検討の余地があるでしょう。これら2つのケースについて解説いたします。
補助金の申請支援をメニューとする計画がある場合
士業の方は一般的に事業者の申請をサポートする立場にいることが多いです。士業の方で今後、補助金申請支援を支援メニューとして取扱う予定がある方にとって、自社でも一度、補助金に申請し採択実績をつくっておくことは無駄にならないでしょう。なかでも、小規模事業者持続化補助金は採択率が毎回60%前後で高めに推移しており、申請しやすい補助金です。同補助金に申請することで補助金申請支援の基本を学ぶことは理に適っていると言えます。
自身でも専門家に依頼し、補助金申請を進めていく過程で「補助金申請支援においてトラブルになりやすいポイント」、「採択されやすい計画書の作成方法」を学ぶことが可能です。一度、顧客側の立場を体験するため、支援を受けてみてはいかがでしょうか。当社も補助金申請支援の申し込みを承っております。詳細は以下より確認可能です。
明確な構想を描いて補助金を使用する場合
士業の方々の持続化補助金における採択事例を上に列挙いたしました。上記の殆どはタイトルから「『サービス内容』や『サービスの戦略的位置付け』を明確に定義していること」が伝わるものです。
例えば、上記の採択例では「10周年企画の無料財務診断を活用した顧問契約の新規開拓事業」というタイトルの補助事業があります。同タイトルは「『無料財務診断』を顧問契約獲得にあたってのフロント商品として定義したうえ新規開拓を図り、顧問契約によって長期的な顧客価値向上を志向する。」という構想が伝わりやすいものです。
このように、「明確な構想を描けるか否か」は補助金の採否のみならず、その後の事業展開にも影響を及ぼすでしょう。実際に、HP制作事業者の間でも、受注を獲得しやすいHPを制作するうえでは「『HPのデザイン』よりも『クライアントの構想する戦略への理解』の方が重要である」と言われることがあります。小規模事業者持続化補助金は「構想の明確化」という段階を踏んだ士業の方におすすめできる補助金です。
まとめ
士業の方であっても小規模事業者持続化補助金の活用は可能であり、実際に採択例もあります。しかし、補助金の使途は限られていることから、本当に補助金を利用することが有効か否かはよく検討しなければなりません。
ただ、今後、補助金申請支援を事業者支援のメニューとして取扱いたい方、明確な事業構想の下に補助金を利用する方にとって、補助金の利用は一定の意義を有すると言えます。
補助金申請支援サービス詳細(料金等)
当社も小規模事業者持続化補助金の申請支援サービスを実施しております。料金については以下の通りです。
小規模事業者持続化補助金の料金体系着手金・・・1万円
成功報酬・・・申請予定額の9%(当協会の会員様の場合は8%)
- 着手金(実作業に入る前の段階でお支払い頂く金額)
- 成功報酬(補助金申請にあたって採択が決定した場合にお支払い頂く金額)
他社様の場合、同サービスの料金は着手金1万円、成功報酬10~20%となっているケースが多いため、当社は安価な料金体系で当サービスを提供しております。
また、上記の通り、当協会の会員様(無料会員も含む)には補助金申請支援における成功報酬をお値引きいたします。ぜひ、これを機会に当協会への入会をご検討ください。ご入会の手続きについては以下「問い合わせ」より「補助金申請支援サービスの相談」と併せて案内可能となっております。
なお、補助金申請支援サービスの詳細は以下より確認可能です。
お問い合わせの際には必須事項を入力頂いた上、メッセージ本文に「補助金申請支援サービスについて相談希望」の旨をご入力ください。お電話・オンライン面談等により対応いたします。お問い合わせの窓口は以下です。
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